脱獄×パーティーの異色の組み合わせ『夜の巨大監獄からの脱出』ディレクターインタビュー!
公開日:2018/09/10
※こちらの記事は、2018年〜2019年に『夜の巨大監獄からの脱出』を全国の遊園地で開催した際のディレクターインタビューです。
夜の遊園地を貸し切って遊ぶリアル脱出ゲーム史上、最高の人気シリーズが今年も帰ってきた!今年のテーマは『脱獄パーティー』。脱獄とパーティーという異色の組み合わせをどのようにリアル脱出ゲームに落とし込んだのか。本作のコンテンツディレクターである山本渉(やまもとしょう)さんにお話しを伺いました。
『夜の巨大遊園地からの脱出』コンテンツディレクター山本渉
-まず簡単に今回の公演の概要をお伺いしてもよろしいでしょうか。
山本:今回の公演は、夜の閉園後の遊園地を丸々貸し切って、リアル脱出ゲームをやる「夜の遊園地シリーズ」の最新作です。今年は、遊園地の跡地に建てられた監獄にお客さんが囚人として無理やり収監されているという設定となっています。
実際に参加者の方は囚人として扱われます。それぞれに囚人番号が割り振られ、番号で呼ばれると思います。もちろん看守のいうことは絶対ですし、何か理不尽な命令をされることもあるかもしれません。
-なるほど。馴染み深いというか、よくある設定ではありますよね。
山本:設定としてはありきたりなのですが、コンセプトは『脱獄パーティー』となっています。いわゆる脱獄って看守にバレないようにこっそりと痕跡を消したりだとか、素知らぬふりをしたりだとか、内通者がこっそりいたりだとか、そういう要素があると思うんですが、今回の公演にそういったものは全くありません。看守にバレてるんだけれども、囚人どもの暴動を止められないといったような、みんなでわーっ!と盛り上がりながら脱獄する、という体験ができるようになっています。
遊園地でリアル脱出ゲームを開催する意味にもこだわっています。どこに巨大監獄建ててもよかったのではないか、と思われないように、遊園地の跡地に建てられた監獄ということをすごく利用した物語、公演になっているかと思います。
-今回の公演は『夜の遊園地シリーズ』というシリーズものということですが、以前の公演と大きく異なる点などはあるんでしょうか。
山本:『夜の遊園地シリーズ』では毎年ストーリーをしっかり作り込んでいます。例えば、一昨年は魔王が支配する城から脱出する、去年はある国で魔法を使ったりして戦争を止める、などの設定で公演を開催しました。一昨年や去年がかなりシリアスな内容だったので、今年は全くそういうのがない公演を目指しました。
遊園地ってそもそも楽しい場所ですし、遊園地にいる楽しい気持ちをそのまま遊べるような公演にしたいなと思って製作しました。でもやっぱり舞台が監獄になったのは、一番わかりやすく閉じ込められている場所っていうと刑務所や監獄なので。あの広い遊園地を監獄に見立てたら面白いんじゃないかな、遊具とかが処刑具にされてるってことが面白いんじゃないかな、みたいなところからアイデアを膨らませました。
-今までのSCRAPのリアル脱出ゲームには存在しない世界観ですね。この公演のどんなところに注目してほしいですか?
山本:前提として謎解きはとても面白くできているんですが、オープニングとエンディングに特に力を入れています。今までの公演に比べるとこんな面白いオープニングとエンディングがあるんだって思ってもらえると確信しています。ただ映像を見るだけじゃなくて、舞台でいろんなことが起きます。囚人はなにかハプニングのようなものに遭遇するかもしれませんね。
それと、1000人同時に公演に参加するってところです。周りのみんなと一体になって盛り上がる瞬間がいっぱいあります。当然ながら自分も囚人ですし、周りにいる他の999人も囚人なんですよ。他の囚人と一緒に協力したり、時には競い合ったりしたりして脱獄を試みるという一体感を味わうことができると思います。
-着てらっしゃるような囚人服を着れば、より世界観に入り込めるかもしれませんね。
山本:実はこの囚人服もグッズとして販売する予定です。コスプレも大歓迎です!ぜひ囚人になりきって、本当にシャバの空気を吸いたいんだっていう気持ちで取り組んでほしいですね。
-実は私も先日初めてリアル脱出ゲームを体験したばかりなんですよ。そういったリアル脱出ゲームの初心者や、まだ体験したことない方へのアドバイスなどはありますか?
山本:2つあります。まず1つは、初めての人が参加しても絶対に楽しめるように調節してあります。なので謎が解けないとか、謎解きしたことがないとか、全く気にする必要はありません。
もう1つは、リアル脱出ゲームを攻略する方法でもあり、楽しむ方法でもあるですが、どれだけ世界観に入り込めるか、というのがポイントです。ここは監獄で私は囚人であるという設定をちゃんと理解して、囚人になった気持ちで挑戦すると謎も解けるかもしれないし、より楽しく遊べるかなと思いますね。
-とは言われても実際にどれだけ難しいのかは皆さんも気になっているんじゃないかと思います。今回の公演はどうでしょうか?
山本:少し内情をお話しすると、テストプレイにおける脱出の成功率は8%でした。少しは難易度の調整をしようとは思っています。ですが、いつも言っていることではあるのですが、初心者だからクリアできないとか、謎解きに慣れているからクリアできる、というようなことは間違いなくありません。初めての人は、パーティーだからって油断せずに、謎解きに慣れている人は大型の公演なんだからどうせそんなに難しくないんでしょとは思わずに挑戦して欲しいです!(笑)
-たったの8%ですか!?相当難しそうですね。
山本:そうですね。ただ1000人が一同に集まっているので、成功者が少なければ少ないほど達成感を味わえると思います。「成功者はこの人たちです!」と終演後に紹介されたりもするので、成功したら心から喜んでもらえると思います。
-私もぜひ公演に参加してみたくなりました。絶対にクリアしてみせます!
山本:ぜひやってみてください。脱出できないと思います(笑)
-最後に今回の公演を待ち遠しく待っている皆様にメッセージをお願いします。
山本:これまでSCRAPはたくさんの刑務所を作ってきました。
-とんでもない会社ですね(笑)
山本:牢獄からの脱出、牢獄からの脱出2、監獄アルバトロスからの脱出、ある刑務所からの脱出など、刑務所は恐らく5つか6つ目だと思います。ですが、今回の公演は、これまでSCRAPが作った刑務所の中で一番明るく、一番楽しい刑務所です。なので、ぜひ楽しむぞ!盛り上がるぞ!っていう気持ちで来てもらうと嬉しいです。リアル脱出ゲームとしても歴史に残せるんじゃないかという、いい作品になっていると思います。
全国夜の遊園地シリーズ『夜の巨大監獄からの脱出』は9月14日から大阪のひらかたパークでの公演を皮切りに、北海道、静岡、三重、広島、福岡、東京と来年の春まで順次開催予定。山本ディレクター自ら、「リアル脱出ゲームの歴史に残る作品」と自負するこの公演を見逃すな!
特設サイト▶http://realdgame.jp/kyodaikangoku/
ライター名:ykmk