映画にしろドラマにしろ「続編」とは因果なもので、たいていの場合その質は数字と反比例していきます。でも、「2」は別。スターウォーズは『帝国の逆襲』で、ターミネーターは「2」で、新劇エヴァは「破」で、ポケットモンスターは「金・銀」でそれぞれ金字塔を打ち立てました。初期衝動の勢いそのままに、前回の反省点を踏まえて、予算も増えて……と、最高の条件下で作れるのが「2」なのです。
そう、「2」は名作になりやすい。
2017年8月、SCRAPの代名詞となった(商標も保持!)「リアル脱出ゲーム」に続くべく、「リアル」の名を冠してはじまった「リアル潜入ゲーム」。4ヶ月にわたって運営された第一弾は、「何度でもプレイ可能」というシステムも手伝ってプレイヤーが殺到。一時チケットが入手困難になるほどの人気を博しました。そんなリアル潜入ゲームの新作第二弾が、このたびオープンしたとのことなので、早速行ってきました。果たして「2」の法則通りの名作になっているんでしょうか? それとも……。期待と不安が入り混じります。
歌舞伎町にテーマパークが出来た
東京新宿・歌舞伎町に誕生したリアルな物語体験ができるテーマパーク「東京ミステリーサーカス」(以下TMC)。遠くからでもわかる輝くネオンが目印のこの施設で、地上4階から地下1階までぎっしりと詰まったコンテンツの一画を担うのが、リアル潜入ゲームvol.2「THE SECRET AGENT 最終兵器ヲ破壊セヨ」です。
TMCに着いたら、エレベーターに乗って3Fまであがりましょう。チケットは事前に購入しておくとスムーズですが、空きがあれば当日券を購入することもできます。各回の空き情報は、映画館のようにわかりやすくサイトとTMCの前に電光掲示板に表示されていますのでそちらをご覧ください。
チケット代金は、ひとり1,800円から。当日よりも事前に買うほうが安いですし、ひとりで行くより2名、3名で行く方が安くなります。1名で、誰とも組まずに単独で潜入することもできるようになったので、一緒に行く人がいなくて参加をしぶっていた人もぜひ。ただ、やっぱり2名以上で潜入した方が楽しいと思います。人は、ひとりでははしゃげません。
トリオチケット、ペアチケット、ソロチケットを買えば、他の人と組む可能性はゼロです。仲間と(ひとりで)安心してプレイできるようになりました。
なお、リアル脱出ゲームと違って受け付け時間に幅があります。10時の回を予約した場合、9時50分〜11時の間に入場すればOKですので、寝坊しても慌てず、細心の注意を払った早歩きで向かいましょう。
謎解き:アスレチック=2:8
3Fに着いたらエレベーターを降りてすぐ右手にあるカウンターで受付を済ませましょう。
TMCはフロアごとに雰囲気がガラッと変わるのですが、3Fは近未来の「基地」といった雰囲気です。
荷物はすべて、ロッカーに預けることになります。このあと出てくるプレイ中の様子をご覧いただければわかりますが、謎解き2:アスレチック8ぐらいの意識でプレイ準備をされるといいと思います。ヒラヒラした服はかなり損です。上着もマフラーも置いていきましょう。公式で推奨されている服装はこんな感じです。ズボン、クロックスの貸し出しもあります。
今回も待合スペースで「イントロダクション」が流れています。確認しなくてもプレイはできますが、没入感が違ってくるので凝視するのをおすすめします。
時間が来たら番号を呼ばれて奥へ。いよいよ潜入です!
※以後、若干のネタばれを含む内容となります。「プレイするに決まっている!」という方は、前売りチケット売り場へどうぞ。
東京ミステリーサーカス_料金・チケット
https://mysterycircus.jp/realstealthgame2/what/#ticket
ノーミスでクリア出来るの、羽生結弦選手ぐらいでは!?
オリエンテーションを受け、上記マップの黄色い矢印の通り「裏口」から潜入開始です! 結局何をするのかよくわからないという方もいらっしゃると思うので箇条書きで説明すると……。
・敵兵に見つからないように進む(撃たれるとプレイ可能時間が減る)
・壁に背中をくっつけて、顔だけ出して敵兵の有無を確認して「クリア!」って言う(言わなくてもいいけど)
・ロッカーに身を隠す
・監視アンドロイドと対決する
・「シーフ」というタブレット型のかっこいい端末を機械に一定時間かざすとなんかのメーターが溜まって「COMPLETE」って出る
・敵の仕掛けた巧妙なトラップを身体能力を駆使してくぐり抜ける
こんなことができるゲームです。
基地内では、例によって警備兵がウロウロしています。
警備兵の視界に入らないよう慎重に行動しつつ、情報端末「シーフ」を各ポイントにかざしていきましょう。情報が増え、より深部へと潜入していくことができます。
前回以上に厄介だった(=楽しかった!)のは、各所で待ち受ける警備システム!
オーソドックスな線を避けるタイプのもの有り。
「これクリアできるバランス感覚と体幹の持ち主、国内では羽生結弦選手ぐらいでは?」と思わせられる一本道あり。
「SASUKEかよ!」とツッコミたくなるめっちゃ回転する謎の物体あり(これも黄色に触れたらダメージ)と、大幅にパワーアップしていました。(SCRAPスタッフ注:本当にSASUKEのプロデューサー乾雅人さんに監修していただいています!)
あっという間の30分!
やはり「2」は名作だった
結論から言えば、『リアル潜入ゲームvol.2「THE SECRET AGENT 最終兵器ヲ破壊セヨ」』、前作以上の名作です。「2」の法則、ばっちりハマってました。
第一弾から粗が少なく、たいへん完成度の高かった「リアル潜入ゲーム」ですが、予算とプレイヤーからのフィードバックを経て、よりパワーアップして帰ってきた印象です。
ぼくはコンテニュー(800円/10分)を経て「A」ランクを取れましたが、どうやら「SS」を取るには何かしらの謎解きが必要な様子。第一弾のときは初回プレイ後すぐに見当がつき、「あそこをああすればきっとSSだな」とおまけ程度だった謎解き要素も、より本格的なものになっているように感じました。
仲間とワイワイやるのにも、デートにもバッチリのナイスゲーム! 歌舞伎町においでの際は、ぜひ覗いていってください!
取材・撮影・文:今井雄紀(株式会社ツドイ)