ついに!お待たせしました!!
SCARAPベストイベント2016年1位・2017年2位の感動作、伝説のリアル脱出ゲーム『君は明日と消えていった(10月よりリバイバル決定)』の制作チームでお送りする待望の完全新作『さよなら、僕らのマジックアワー(以下、ぼくマジ)』がこの秋開催されます!
今回は開催地のTOKYO MYSTERY CIRCUS総支配人でありながら、コンテンツディレクターでもある、きださおりさんにインタビュー!!一体、どんな話しが聞けるのか!?ドキドキっ!!
コンテンツメインディレクター:きださおり
―今回の『ぼくマジ』ですが、どのような物語ですか?―
きだ:2年前に『君は明日と消えていった(以下、きみあす)』というリアル脱出ゲームを開催したのですが、その制作スタッフで作成したのが今回の『ぼくマジ』です。
『ぼくマジ』は『きみあす』と同じく高校生の青春の1ページを切り取ったような設定となっていまして、実は『きみあす』が開催されるまで、そういった日々の日常を切り取ったような設定のゲームはあまりなかったんです。よく、リアル脱出ゲームっていうと「殺人事件が起きて〜」だったり「ゾンビが出てきたり〜」だったり、非日常な出来事の設定が多かったと思うんですが、この作品は皆さんをまるで高校時代のような、青春の世界に誘う作品となっています。
ライター:なんでも前回がすごく好評だったとか!
きだ:ありがたいことに、SCRAPベストイベント2016年1位・2017年2位を受賞しました。私自身、現実世界に近い世界を描いた少女漫画が好きなので、リアル脱出ゲームをしたことがないような女の子でも気軽に遊びにいけるような、作品を作ろうと思いました。そこで出来たのが『きみあす』なんです。正直、受け入れてもらえるのか心配だったのですが、沢山のお客さんに楽しんでいただけて、本当にホッとしました。
ライター:実は私も『きみあす』を体験したのですが、泣きました!!
きだ:体験してくださってたんですね!ありがとうございます!リアル脱出ゲームなのに、泣ける公演って今まであまりなかったと思うので、そう言ってもらえると嬉しいです。
リアル脱出ゲームって解いている時に爽快感があると思うんですけど、『きみあす』は主人公の気持ちに入りやすい没入感もあるので、泣ける!という感想を沢山いただきました。今回も同じ制作チームなので、きっと心が揺れ動くのを覚悟でお越しくださいね(笑)
―TOKYO MYSTERY CIRCUS の総支配人でありながら、制作も同時並行で大変だったことはありますか?―
きだ:総支配人との掛け持ちは大変でしたね。総支配人の時に使う脳はプロデュースや経営に関することなのですが、ディレクターの場合は使う脳が全く別で、どうしたらお客様が面白い!と思ってくれるか、自分と突き詰める時間が大切なんです。総支配人として時間がない日々の中で、制作する時間を確保してグッと集中して作る時間が重要でしたね。だけどこの忙しい日々がなかったら、マジックアワーを眺める時間の尊さにも気がつかなかったかもしれないので『ぼくマジ』は生まれなかったかもしれません。
ライター:まさに二足のわらじ・・
きだ:『きみあす』の時に、「このゲームと出会ったからリアル脱出ゲームにハマった」というお客様の声を多数頂いたんです。「これから頑張って生きていこう!」とか。ゲームが現実の日常生活に影響を与えるって凄いことだな、と思いまして。これってゲームと現実の境を縮めることが出来た証だと思ったんです。ゲームのコンセプトとして「後悔のない時を過ごそう」という言葉が大事だったんですけど、それが響いた方が多かったようで、今回の『ぼくマジ』もゲームの1時間が終わっても、日常生活に何かしらの感情を持って帰ってくれるお客様が増えたら嬉しいですね。
マジックアワー:きだ撮影
―制作するうえで大変だったことはありますか?―
きだ:実体験があって、独りよがりになってはいけないと思いまして、制作チームを集めて、それぞれ自分の思う青春というのを議論し続けました。「ぼくマジ」の制作チームは多様なメンバーで組めたら良いなと思って、男女問わず16歳から40歳ぐらいまでの方がブレストに参加してくれています。一人一人青春って違うと思うので、色々な人の意見を大切にしていますし、中には制作メンバーの実体験を入れ込んでいることもあります。もちろん、正解はないんですが、『青春』という誰もが体験した出来事を具体化・具現化していく作業は時間を要しました。
制作するときって、一瞬たりともこのゲームのことを考えていない時間はないくらい考えていて、居酒屋に行っては青春について討論したり、ファーストフードでは隣の高校生の会話に聞き耳を立てたり(笑)常に何が今話題なのか考えていましたね。
普段はあまりカラオケに行かないのですが、青春モノを作り出すとよくカラオケに行くようになるのも特殊かもしれません。カラオケってその人が一番心揺れ動いていた世代の曲を歌うことが多いですよね。なので自分と背景が違う人とカラオケに行って、その人が歌う曲の歌詞でも心が動くポイントを探ってました。カラオケはあまり得意じゃないのですが、制作のためなら!と常に自然と観察していましたね。
ライター:ちなみに、きださんはどんな青春だったんですか?
きだ:青春ってどんなものかと思って、同級生の集まりに行ってみたんです。これも普段あんまり行かないのに(笑)応援団とかやって、自転車で海とかにも行って、割とキラキラしている青春時代だった記憶はあるんですが、友達に当時の私のことを聞くと、「行動が読めなくて自由だった。授業中にストーブでしゃぶしゃぶをしていたよ」とか言われたりしました。それに関してはあまり覚えていないんですが(笑)他にも忘れていた色んなエピソードが出てきて、やっぱり人に聞くって大事だなっと思いました。
ライター:(どんな学生時代だよ・・)
―制作をするうえで大切にしていたマジックアワー―
きだ:ところで、マジックアワーってご存知ですか?今回の肝になるのがこの『マジックアワー』なんですが、日没後に数十分だけ訪れる綺麗な夕焼けが見える時間帯なんです。
制作に行き詰まって、「さぁどうしようか」と気分転換に近所を散歩したら、このマジックアワーと言われる時間帯に出会いました。マジックアワーは撮影用語で、映画を撮るときに使われたりする言葉なんですが、今回のゲームは映画部の話。そこで「マジックアワーを取り入れた謎解きにしよう!」と思いました。
ライター:映画の撮影用語なら、今回の謎解きにぴったりの題材ですね!
きだ:マジックアワーって1日のうちに数十分しか見れない貴重な時間ですし、この儚い感じがロマンチックですよね。まさに青春って人生で例えることが出来る時間帯だと思うんです。この一瞬の時間を大切にしようって思うのって、マジックアワーも青春も一緒だなって。
この謎解きの制作を行うまでは1日中室内にいる時間が多かったのですが、マジックアワーを題材にしようと決めてから、必ずこの時間帯は外に出かけることを自分に義務付けました。どんなに都会にいても、マジックアワーの時間帯は夕焼けがとても美しいんです。意図的にこの時間だけ外に出ることによって、他のスケジュールがこなせるし、なんだか気持ちが楽になりました。空で時間を感じるのは気持ち的に重要かもしれませんね。これを見ている方にも是非、マジックアワーの時間帯に散歩してほしいです。
(東京ミステリーサーカスから見たマジックアワー:きだ撮影)
―今回のコンセプトについて―
きだ:マジックアワーを題材にしようと決めてから、コンセプトとして決めたものは「一瞬一瞬の目の前の出来事や人を大事にしよう」ということです。前回の作品で「泣けた」という声を多く頂いたのですが、ゲームが終わってから感じてもらうものって多いと思うんです。そこは前回同様に貫いています。中高生の時期ってその時にしか出来ないことってあると思うし、その時期だからやっていて楽しいことってたくさんあると思います。大人になると、「今これしないと!」というものの価値がぼんやりしていて、あの時のトキメキが薄れていたりとか・・。なので、忙しい日々を過ごしている人にこそ、1分1秒を生きるのが大事っていうのをこの脱出ゲームで思い出してほしいという願いも込めています。
―前回の公演もさることながら、今回さらにパワーアップした箇所はありますか?―
きだ:私が企画制作した『忘れられた実験室からの脱出(公演終了)』と『沈みゆく豪華客船からの脱出(10月よりリバイバル決定)』という公演は、心の動きという部分を大事にしまして、それを踏まえて1番いいものを制作しました。前回の『君は明日と消えていった』では、キャラクター設定の中に自分もその一部としてストーリーの中に入って没入感が得られるのがポイントだったのですが・・・今回は、やってからのお楽しみということで!!(笑)
というのも、自分がパワーアップしていると思っていても人それぞれ感想が違うと思うんです。今回の公演はまさに“自分自身の物語”ということで体験してほしいです。ぜひ、どんな気持ちになったのかを感想として聞かせて欲しいです。私たちが狙いにいった通りの感想を持ってきてくれるのか、はたまた別のベクトルでの感想を伝えてくれるのか、すごく楽しみです。早く感想聞きたいな(笑)この反響次第でまた同じ制作チームでリアル脱出ゲームを制作できるのか決まってきますからね!!
―感想がとても重要ということで、これだけは伝えたい!ということはありますか?―
きだ:今回、ゲーム体験後の日常生活が大事だと思うんです。ゲームが終わった後も是非楽しんでほしいので、特別なフードも準備しましたし、反省会が出来るキットも準備しました。
反省会キットイメージ写真
反省会キットのポイントは、ゲームをプレイした4人が物語を反復しながら、制作意図や通知表が作れたり、日常生活からも勇気が与えられるものを作成しました。
人って褒められたりすると嬉しいじゃないですか?このキットを使うことで誰かがどこかでヒーローになることができるし、それをお互いに褒めあったりすることが出来るんですよ。画期的なセットですよね。
このキットはチケットと一緒に購入できるセットなので、是非このキットも込みで購入してほしいですね。
また、この公演はグループで公演に参加した方なら、リピートで再度チャレンジすることが出来るんです。1回目だけでも楽しいと思いますが、もう1回結末を知った上でチャレンジすることによってゲームの世界観を改めて味わえるし、新たな発見もあると思います。
『君は明日と消えて行った』のリバイバル公演も10月から開催されるので今回の新作とハシゴもできます。この秋は私が制作した脱出ゲームにどっぷりハマってほしいですね。
―最後に、このコラムを読んでいる読者の方にメッセージをお願いしますー
きだ:自分自身で体験してどんな感想を持つのかは人それぞれだと思うので、是非とも感想をお聞かせください!私の励みになります。
また、このインタビュー記事を読んだ日からマジックアワーを見ようと思って生活してほしいです。良い写真が撮れたら、是非ハッシュタグ「#ぼくマジ」をつけて投稿して下さい!必ず見ます!
今からの季節、ちょうどマジックアワーが美しく綺麗な紅色が見える時期です。皆様忙しいと思いますが、マジックアワーを見ながら、ぼんやり考え事してみたり、空を見上げる生活を体感してください。きっと、一人ひとり心に残るマジックアワーが違うと思いますし、思い出も増えると思います。
もうすぐ開催される『さよなら、僕らのマジックアワー』を11月16日のスタートまで、心を盛り上げていけたら嬉しいです。
胸キュンしたいそこのアナタ!!ハンカチの準備をして、皆様全国の開催場所へ急げっ!!マジックアワーを見ることも忘れずにねっ♪
リアル脱出ゲーム「さよなら、僕らのマジックアワー」
https://mysterycircus.jp/bokumaji/