“ドラゴンクエストのお祭り”!!『リアル脱出ゲーム×ドラゴンクエスト 大魔王ゾーマからの脱出』ディレクターインタビュー
公開日:2018/07/26
8月11日から幕張メッセで始まる『リアル脱出ゲーム×ドラゴンクエスト 大魔王ゾーマからの脱出』。広大な会場を舞台に、国民的ゲームとのコラボ第二弾となる本公演について、メインディレクターを務めたSCRAP吉田 隆之氏がその魅力から制作秘話までを話してくれた。「リアル脱出ゲーム初心者にもおすすめ!」という『大魔王ゾーマからの脱出』の気になる内容とは!?
■ドラクエ玄人も初心者も楽しめる
ーー『リアル脱出ゲーム×ドラゴンクエスト 大魔王ゾーマからの脱出』は、どのようなゲームシステムですか?
ディレクター吉田 隆之(以下、吉田) 2016年に開催した『リアル脱出ゲーム×ドラゴンクエスト 竜王迷宮からの脱出』はゲーム『ドラゴンクエスト』を踏襲して、プレイヤーたちは竜王を倒しに行くために、アイテムを手に入れ、王女を助けて、竜王に挑む……という非常にシンプルな物語でした。
今回の『大魔王ゾーマからの脱出』では、近年のドラクエを踏襲する形にしています。つまり、ゾーマを倒しに行く道中でパーティはさまざまな町に立ち寄り、その町が抱える問題を解決することで、必要なアイテムを手に入れたり、強い仲間が味方になってくれたりというふうに、大きく4章立てで物語が進んでいきます。
まず、プレイヤーの方には4人でパーティを組んでいただき、「商人・踊り子・占い師・旅芸人」、それぞれ違う職業を選んでいただきます。各章で活躍する職業がそれぞれ設定されているので、すべてのプレイヤーに見せ場があるというのも非常に面白みのあるポイントとなっています。
ーー友達を4人集められない場合でも、参加できますか?
吉田 そういった方は、最初に「ルイーダの酒場」というエリアに行っていただきます。そこではまだ4人パーティが出来ていない方たちがいらっしゃいますので、挨拶をして4人パーティを組めたらゲームを始められます。「ルイーダの酒場」には会場スタッフもいて、みなさんがスムーズにゲームに入れるようマッチングをさせていただきますので、安心して来ていただければ、と思います。
ーー大人としても解きがいのある謎に期待してもいいのでしょうか?
吉田 むしろ、ときには大人が悩むくらいの謎があります。謎解きはいずれも知識は必要ないものなので、大人も子供も等しく楽しんでもらえるコンテンツになっています。
ーー前回の『竜王迷宮からの脱出』と比べて、どういった部分がパワーアップしていますか?
吉田 まずは、開催期間ですね。『竜王迷宮からの脱出』は3日間でしたが、今回は8日間、幕張メッセで開催しますので、より多くの方に楽しんでいただけます。
また、物語もより深く重厚で、“ドラクエらしく”しています。テリーやトルネコなど、歴代ドラゴンクエストの人気キャラクターがどんどん出てくるお祭り感溢れる物語になっているんです。堀井雄二さんから直々に、「これは“ドラゴンクエストのお祭り”にしちゃおう」というお言葉もいただきました。
ドラゴンクエストのどのシリーズをプレイした人でも「これはドラゴンクエストだな」と思えるような物語、キャラクター、ゲーム体験を用意しています。
ーー反対に、「ドラゴンクエストをあまり知らない」という人でも楽しめますか?
吉田 もちろん! 物語上の重要なキャラクターは、脱出ゲームの中でもちゃんと説明させていただきます。
ドラクエを知らない人でも「このキャラクターは大事なんだな」とわかりますし、歴代ドラゴンクエストをプレイしている人には「あの作品のキャラだ!」と、ニヤッと出来るようになっています。
■制限時間がないから、楽しみ放題
ーーそもそも『大魔王ゾーマからの脱出』企画はどのように始まったのですか?
吉田 前回の『竜王迷宮からの脱出』が非常に好評をいただけたので、第二弾ということで企画が始まりました。「最後のボスをどうするか?」という話になった時に、「歴代ドラゴンクエストの中でも、一番有名なボスであるゾーマを倒しに行く」という物語が良いだろうということで、『大魔王ゾーマからの脱出』を作っていくことになったんです。
ーー最初にボスを決めるというのは、面白い作り方ですね。
吉田 やっぱりドラゴンクエストはボスを倒して世界を平和にするという物語なので、ボスが決まらないとほかのところも決まらない。まずは、お客さんが一番行きたくなる、倒したくなるボスってなんだろう? というところからの発想ですね。
ーー先ほど『竜王迷宮からの脱出』からパワーアップした点をうかがいましたが、前回の反省を活かした点はありますか?
吉田 『竜王迷宮からの脱出』での最大の反省は、チェックポイント間を歩かせ過ぎてしまったな、というところです。『竜王迷宮からの脱出』のコンセプトのひとつに、「プレイヤーが実際にゲームの主人公の気持ちになって、フィールドを歩いたらどれだけ冒険感が出るんだろう?」というものがありました。なので、みなさんに歩いていただいて、その分達成感もあったんですが、まぁ疲れました(苦笑)。
ですので、今回は『竜王迷宮からの脱出』ほど、体力的な心配はありません。ただ、どちらにしろ幕張メッセの床はコンクリートで硬いので、歩き慣れた靴で来てもらえればと思ってます。ヒールなどでの参加は、絶対に避けていただいたほうがいいです!
また、『竜王迷宮からの脱出』のラストバトルでは、広い会場であったにもかかわらず、最後の謎解きが少しダイナミックさに欠けてしまっていたかな……という反省がありました。ですので、今回のゾーマ戦では、ドラクエらしいバトル的なダイナミックさを盛り込んでいます。どういったものかは、会場に来てからのお楽しみです!
ーー幕張メッセという広い会場を使ってリアル脱出ゲームを作る際に、苦労した点はありますか?
吉田 1時間に1000人以上の方が来場されるので、みなさんストレスなく各チェックポイントを回れるよう、ゲーム設計をすることに苦労しました。ただチェックポイントで待つだけでなく、そこでドラクエらしい体験をしてもらわないといけません。
ですので、それぞれの町では豪華なセットを組んでいて、ドラクエっぽい装飾や小ネタなどを『竜王迷宮からの脱出』以上に数多く仕込んでいます。『大魔王ゾーマからの脱出』では普段のリアル脱出ゲームと違って制限時間も設けていないので、「これからどんなことが起こるんだろう」とワクワクして待っていただいている間も、そういった小ネタなどを楽しんでいただければな、と思います。
ほかにも、数万人が自由に歩き回って遊べるコンテンツですので、謎好きな人しか魅力を感じないような難しすぎる謎はなくしています。実際に物語を体験しているからこそ解けるような謎にしています。
ーー制限時間がないということで、ひたすら考えて、ひらめきが出てきさえすれば、誰にでも解ける謎になっている、ということですね。
吉田 堀井雄二さんが「ドラゴンクエストは努力すれば誰でもクリア出来るゲーム」とおっしゃっているんです。
普段のリアル脱出ゲームは、「努力してもクリア出来ないゲーム」ですが、コラボするにあたって、「努力すれば絶対に誰でもクリア出来る」というゲームデザインは意識しました。リアル脱出ゲームが初めての方でも、ゆっくりと自分のペースで楽しんでいただけるというのは、何よりの魅力だと思います。
ーー普段のリアル脱出ゲームは解けないと悔しくて、「またチャレンジしよう!」と思いますが、やっぱり誰しも一度は脱出成功を味わいたいですよね。
吉田 『大魔王ゾーマからの脱出』では、ラストで謎解きに失敗してしまっても、「教会システム」を使えば一人1000円をいただきますが、その後何度でも復活することができるので、何回でも謎解きに挑めます。さらに、詰まってしまった方のために、ヒントも用意しています。
ーー普段のリアル脱出ゲームでも小ネタは散りばめられていますが、制限時間の中ではなかなか見つけにくかったりします。制限時間がないということで、小ネタを余すところなく堪能できるというのも嬉しいです。
吉田 前回の『竜王迷宮からの脱出』でも参加された方が話題にしてくれましたが、今回はさらに会場の隅から隅まであらゆる小ネタを仕込みます! 全部見つけられる人はいないんじゃないかなぁ……。
ーー原作のドラゴンクエストでも、「ちいさなメダル集め」やカジノだったり、本筋にはさして影響のない要素が面白かったりしますよね。
吉田 ドラゴンクエストは物語の重厚性だけでなく、そういった遊び心が随所に盛り込まれています。なので、自分たちも「こんなところにこんなものがあった!」みたいな小ネタを発見する喜びを幕張メッセの中で再現できたらな、と思っています。
■何者でもない自分が、世界を救う
ーー『大魔王ゾーマからの脱出』での、一番の注目ポイントはどこですか?
吉田 ドラゴンクエストの魅力は、なんといっても物語の面白さだと思っています。そんな物語の中に自分たちが入って体験できるのが、本公演です。みなさんが思いもよらない展開が待ち受けているので、期待して『大魔王ゾーマからの脱出』を体験していただきたいです。
今回の物語のコンセプトは、「選ばれなかった僕らが、世界を救う」。
ドラゴンクエストは普段、勇者を動かしてプレイしますが、コントローラーを握っているプレイヤーのみなさんは本来、勇者でも賢者でもない、単なる一般の方ですよね。そんな普通の人がふとしたきっかけで、世界を救うことが出来ないだろうか? というところから、物語を作っています。なので、今回選べる4つの職業も「商人・踊り子・占い師・旅芸人」という、現実世界で実際になれるものにしています。この職業の特技を使って、世界を救うんです。
というのも、『大魔王ゾーマからの脱出』を終えた次の日に、会社や学校で「昨日、自分がゾーマを倒して、世界を平和にしてきた」と言ってもらえることを一番に目指したんです。自分たちとあまりかけ離れていない職業になって、『ドラゴンクエスト』という物語をより自分の物語として体験してもらえれば、と思います。
ーーさきほども“ドラクエらしい”物語を大事にした、とおっしゃっていましたが、ストーリーにもかなりこだわりが?
吉田 脚本はSCRAPの鹿野が書いたのですが、ドラゴンクエストらしい表現を意識しました。さらに、スクウェア・エニックスさんが脚本の監修をしているので、ひと目見ただけで「これは確かにドラクエだ!」と思ってもらえるような物語になっています。
反対に言えば、ドラゴンクエストをやったことがない人でも、「これがドラゴンクエストなんだ」ということがわかると思います。
また、みなさんの思う“ドラゴンクエストあるある”を再現するというところも意識しています。例えば、「宝箱を開ける」とか、「NPCに声をかけて同じセリフを言われる」とか(笑)。こういった「これぞドラゴンクエスト」というような体験を、一つでも多く盛り込むようにしています。
フードコートやグッズで一定額以上お買い上げのお客様には、世界の男子が渇望する“ぱふぱふ”がリアルに体験できるオマケ要素もあるんです!
実は、当初原作に登場する“ぱふぱふ”を再現しようとしたら、スクウェア・エニックスさんに「リアルだからこそ出来る、今までにない新しい“ぱふぱふ”を創造してください!」と言っていただいて。なので、SCRAP社内で何度も“ぱふぱふ”を考える会議をしました。内容は、会場来てからのお楽しみで、体験した方だけがどんな“ぱふぱふ”だったかがわかります。とりあえず“ぱふぱふ”を体験するところまでは、女子に案内してもらえます(笑)。
SNSなどでのネタバレは禁止ですが、「ぱふぱふ、すごかった……」とか「ぱふぱふ、ヤバい……」みたいな感想は、どんどんSNSで発信していただけると嬉しいですね。
ーー今から楽しみですね(笑)。
吉田 ほかにも、『大魔王ゾーマからの脱出』の公式サイトでは、どの職業に合っているのかを調べる「職業診断」や、練習問題ともいえる謎がランダムで出てくる「謎ガチャ」といった企画も出来るようになっているので、あわせて楽しんでいただきたいです。
「職業診断」では、『ドラゴンクエストIII』(SFC版)や『ドラゴンクエストX』に登場する「性格」と一緒に職業を診断してくれます。僕は「いのちしらずな旅芸人」でした(笑)。ぜひ、『大魔王ゾーマからの脱出』で職業を選ぶ時の参考にしてください。
ーーそれでは最後に、メッセージをお願いいたします。
吉田 ドラクエをやったことがない人から、全部の作品をプレイしている人まで、みんなが「ドラゴンクエストの世界だ!」と思ってもらえるようなものを、幕張メッセという広大なリアルな空間の中にドーンと作っちゃいます。本当に、ただ胸をワクワクさせて会場にお越しいただけたらな、と思います。
世界を救うのは、君だ!!(笑)
ーーありがとうございました!
【開催場所】
幕張メッセ 展示ホール9〜11
〒261-8550 千葉市美浜区中瀬2-1
【日程】
2018年8月11日(土) 〜15日(水)・17日(金)〜19日(日)
【特設サイト】
https://realdgame.jp/DQ2018/