遊んで学べるリアル脱出ゲーム『人類滅亡からの脱出』体験レポート
新米市長になりきって、感染症や自然災害から市民を守れ!
公開日:2021/03/15
「もしいま大きな自然災害が発生したら、
SCRAPと日本科学未来館のコラボイベント、『人類滅亡からの脱出』は、まさにそんな事態を想定したリアル脱出ゲーム。ある町に就任したばかりの新米市長である「あなた」が、新型の感染症や自然災害といった脅威から市民を守るために謎を解き明かしながら必要な対策を打ち出していく……という内容で、プレイするなかで自然と防災知識が身につくそう。
なかなか遊びに行きづらい状況が続いていますが、こんな時期だからこそ体験したいイベント。「行きたいけどどうしよう?」と迷っている方のために、体験会で実際に遊んできた様子をお届けします!
なお、謎のネタバレはしていませんが、会場の雰囲気が伝わる写真などは掲載しているので、「予備知識を入れずまっさらな状態で参加したい!」という方は、こちらのページからいますぐ予約をどうぞ。
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リアル脱出ゲーム参加回数10回以上、脱出成功率20%以下のライター飛田恵美子(右)がお届けします!
適切な施策を打って市民を守る!
日本科学未来館は東京・お台場にあるミュージアムで、最先端の科学技術をわかりやすく伝える展示や、未来について考え対話するイベントなどを行っています。現地に到着し、コインロッカーに上着と荷物を置いてロビーに進むと、どーんと『人類滅亡からの脱出』のビジュアルがスクリーンに映しだされていました。テンションが上がります!
本イベントは、日本科学未来館全体を舞台とした周遊型のイベントで、
ということは! 謎解きが得意ではなくても、時間をかければクリアできる!!!
……と油断していたら、未来館の閉館時間が迫っていて、急がないと間に合わないことが判明しました。……がんばります!
ちなみに、先行体験会は夜間の開催でしたが、通常の開館時間は10時〜17時。謎解きが初めての人、苦手な人は早めの回に参加することをおすすめします!
では、時間もないのでさっそく会場に向かいましょう。受付ではA5サイズの「人類滅亡対策ノート」とクリップペンシルが渡されました。
まずは最初のエリアで実写映像を視聴。とある町の市長に就任したばかりの私たちに、新型の感染症が蔓延しているという情報がもたらされます。市民を守るため&支持率を下げないため、適切な施策を打たなければ……!
ちなみにこの映像、映画のようなクオリティで驚きました。未知のトラブルから一般市民を守るために奔走する……まるで『シン・ゴジラ』や『日本沈没』、『太陽の蓋』の登場人物になったような気分です。
次のエリアでは、新型感染症に関するさまざまな情報が掲示されていました。この情報と人類滅亡対策ノートをもとに謎を解き、新型感染症の特徴を正しく把握し、いまこの町に必要な施策を考えます。
掲示物の前では、会場スタッフの方が「掲示物の写真を撮って空いている場所で謎を解くといいですよ」と、参加者が謎解きに夢中になって密にならないよう気を配っていました。「OKOK、要するに密にならなければいいのね」と少し遠くから目を細めて掲示物を見て考えていたところ、なかなか謎が解けず……。「みんなサクサク解いていくのに……!」と冷や汗をかきはじめた頃、単純に見間違いをしていたことに気づきました。アナウンスには素直に従い、スマホで撮影して解きましょう……。
正しい施策がわかったら、専用ページにアクセスして施策を選択。新しい映像を見て次のミッションに進むという流れです。スマホやタブレットはフル充電しておくことをおすすめします。細かな文章を読んだりするので、グループで1台ではなく1人1台で操作するほうがやりやすいと思います。ちなみに、会場には充電スポットも設置されていました。
さて、感染症対策は何とか手を打つことができたのですが、町には地震や台風といった新たな危機が……。フロアをまたいであちこち移動し、謎を解きながら施策を練っていきます。走ったり屈んだりはしないのでスカートでも大丈夫ですが、結構歩くのでヒールの高い靴だとちょっと大変かもしれません。立ったまま対策ノートに書き込む場面があるので、小さめのバインダーがあると便利かも!
前半の謎は資料をよく見て考えれば解けるものが多かったのですが、何しろ数が多い! 私たちは時間が限られていたので手分けして、詰まったらすぐにヒントを見て、先を急ぎました。
防災グッズを考えたり、避難所計画を見直したり、ゲームを進めるなかでこれまで知らなかった災害対策のTipsがたくさん出てきて、「えっこれってそうなの!?」と驚く場面も。
慌ただしく移動する中でも気になってしまうのが、常設展示ゾーン。面白そうな展示が色々あって寄り道したくなります。館内には予約した時間の2時間前から入れるので、事前に見ておくのもいいかもしれません。なお、本編には影響しないサブミッションとして、常設展を使った謎も用意されていました。
科学者たちから集めたさまざまな地球のデータにアクセスできる「ジオ・スコープ」を使った謎、地球システムを表す展示「100億人でサバイバル」を使った謎。面白そう!……なのですが、「閉館まで1時間を切っている場合は本編のクリアを優先しよう!」とのことなので、泣く泣くスキップ。これから参加する方は、ぜひ時間に余裕を持って行って、私たちの分まで楽しんでください!
駆け足で謎を解いた甲斐あって、ギリギリ閉館前に人類滅亡の危機から脱することができました。ヤッターーー!!
そうそう、各ミッションで回答を間違えると支持率が下がっていくのですが、最後に市長としての肩書きが提示されます。何問か間違えてちょっぴり支持率が下がってしまった私たちの肩書きは「うっかり新米市長」。一問も間違わなかったらどんな肩書きになるのでしょう? せっかくなら支持率100%を達成したかったなぁ……!
ちなみに、一緒に参加した友人は「立ったままだと頭が働かない」と話していて、「そういうもん……?」と訝しんでしまったのですが、振り返ると私もメモを取れないイベントでは「書きながら頭を整理したい」と思っていました。「自分がどういうときに思考が働くか」を自覚できるのも、リアル脱出ゲームの醍醐味ですね。
なお、日本科学未来館にはカフェやレストランもあり、フードやドリンクを注文すれば座って謎を解いたり動画を観たりすることが可能です。土星オムライスやEarth DORAYAKI、星空のパフェに実験ドリンクなど、未来館らしいメニューがいっぱい。食べたかった〜〜〜!
公式サイトには「所要時間2時間」と書かれていますが、サブミッションに挑戦したり、常設展もじっくりまわれば、1日中楽しむことができそうです。
こんな時期、だからこそ参加したいリアル脱出ゲーム
ヒントも用意されているし、答えを間違えてもゴールはできるので、初めてリアル脱出ゲームに参加する方にはうってつけのイベントです。家族で参加するのもいいのではないでしょうか。推奨年齢は中学生以上ですが、大人のサポートがあれば小学生でも楽しめそうです。
もちろん、SCRAPならではの捻った謎もいっぱい。手練の常連さんは「いかに支持率を下げず、いかに早く脱出するか」を目指してみてはいかがでしょう?
気になる感染症対策についてですが、『人類滅亡からの脱出』では、入り口で体温を測り、要所要所でアルコール消毒を促され、密にならないように間隔を空けて座席や立ち位置が配置されていました。日本科学未来館自体がとても広々とした空間なので、不安を感じずに過ごせるのではないかと思います。
終了後、改めて動画や防災マニュアル、振り返りシートをじっくり見たら、さすが日本科学未来館や専門家が監修しているだけあって、未知の感染症に対する向き合い方、災害時に役立つ豆知識、いますぐできる自宅の災害対策などがわかりやすくコンパクトにまとまっていました。
「そっか、あの謎を解くステップが、○○○がないときに○で代用する実践になっていたのか!」「この回答を導き出したらやみくもに○○しようとは思わなくなるよね、上手く設計されているなぁ……!」と、感心することしきり。これまでのリアル脱出ゲームとは一味違った「なるほど〜!」感がありました。企画系の仕事をしている方は、「防災とリアル脱出ゲームをどう融合させたのか?」という視点からイベントを振り返ると参考になるのでは!
オリジナルグッズには、おまけ謎付きの非常用持ち出し袋に防災パンも!
大事なことだと頭ではわかっているのに、ついつい後回しにしがちだし、忘れてしまいがちな災害への備え。でも、こうしてゲームとして体験すると楽しく学べるし、記憶に残るものですね。この感覚を胸に、ゲーム感覚で防災に取り組んでみようと思いました。まずは賞味期限が切れそうな保存食をおいしく食べて買い足すところから、かな。
市民が自分にできる防災対策を行っておくことは、行政が適切な防災施策を練って実行することと同じくらい重要です。『人類滅亡からの脱出』への参加者が増えれば、本当に災害が起きたときの被害が減るかも……? ぜひ、大事な人を誘って参加してください!
※追加開催の日程は、2021年4月10日から5月30日までです。
■人類滅亡からの脱出特設サイト
https://realdgame.jp/miraikan2020/
Author 飛田恵美子