こんにちは。瀧澤と申します。
突然ですが、今日から「もしもこの世に○○がなかったらシリーズ」を始めます。
【あ】から始めて【ん】まで、全46回目指して連載していこうと思います。
vol.1で終わるか、vol.46で終わるかは皆さんの反響次第!
#もしもこの世に・・がなかったらシリーズ
よろしくお願いします。
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—vol.1【あくび】
もしもこの世にあくびがなかったら、人は眠いときどうするのだろうか。
そもそもあくびって何だろう。
敢えて調べないで考えてみよう。
口を思い切り開けて、息を思い切り吸い、思い切り吐く。
そしてスッキリする。
あくびがなくなると、これをどこか違う部分でしなければならない。
鼻はどうだろう。
鼻を思い切り開き、鼻から思い切り息を吸い、鼻から思い切り息を吐く。
割とできそうだ。
でも何だかスッキリしない。
耳はどうだろうか。
耳を思い切り開き、いや、耳を思い切り開けない。
耳ではあくびはできない。
目はどうだろうか、いや、目から息は出せない。
へそもだめ、ケツもだめ、あそこもだめ。
呼吸ができないと、あくびはできないのだ。
では毛穴はどうだろうか。
体を広げ、気合で全身の毛穴を開き、気合で空気を取り入れる、
そして思い切り手足を前に伸ばし、体を解放し、毛穴という毛穴から息を吐き出す。
プハーーーーーーーーーーーーーー。
できる。
全身であくびはきっとできる。
そしてこれは、これができれば、きっとものすごい気持ちがいい。
従来のあくびの比ではない。
世界中の人々が全身であくびをし始めた。
最も気持ちいい毛穴あくび方法を、試行錯誤して編み出そうとする。
そして、最高の毛穴あくびをする、あくび王が誕生した。
皆は彼を崇拝し、彼を真似、いかに彼の毛穴あくびに近づけるか競いだした。
いつしか毛穴あくびは「毛穴くび」と呼ばれるようになり、
毛穴くびダンスが流行り、
毛穴くび教まで生まれた。
最高の快楽を得るために。
ついには毛穴くびドラッグが世界に蔓延った今、
政府は毛穴くびを一切禁止した。
人々は絶望した。
毛穴くびができないなんて。
こんなつらいことがあるのか。
反乱が起きた。
多くの人間が捕まり、毛穴くびは重罪となった。
生活の全てを監視されるようになった今、
毛穴くびをする人は一人もいない。
ふと、鼻あくびをしてみた。
意外といい。
意外といいぞ、鼻あくび。
人々はこっそり鼻あくびをするようになった。
あ、かわいいあの子が、こっそり鼻あくびをしてる。
かわいい。
「ねえねえ、今、鼻あくびしてたでしょ?」
「え、、し、してないよ。そんな恥ずかしいことする訳ないじゃん、、!」
かわいい。
スッとマスクをつける、彼女。
あ、またこっそりしてる。
そういえば最近、マスクをしてる人増えたな。
結論:この世からあくびがなくなったら、マスクが流行る!