これからの時代に必要力=「可能性を探る力」
グローバル化・IT化・少子高齢化……社会が急激に変化しているこの時代のビジネスにおいては、高度化・ 複雑化する課題への対応が求められています。社会全体が成長している時代に求められた基礎的な知識や技能は、わざわざ人間が習得すべきものではなくなっています。それらの基本的な情報を蓄積・処理する役目は、程度の差はあるにせよ、いずれはコンピューターに取って代わられるでしょう。
では、これからの社会において、本当に人間に必要とされる力は何か? それは「可能性を探る力」です。高度化・複雑化した課題に対して人間に求められるのは、記憶した「正解」を引き出すことではありません。
1つの問いを正解に導くためには、さまざまな考え方やアプローチが必要になります。課題に対し、どれだけたくさんの考え方やアプローチを思いつけるかが、ビジネスにおいて付加価値を生み、イノベーションを創造していく力となっていくのです。これまでのように「みんな一緒でみんないい」という考えで生き抜いていくことは困難です。
この考え方をもとに、当協会では「謎解き能力検定(通称:謎検)」を開催します。当協会は、「リアル脱出ゲーム」という日本屈指の参加型謎解きエンターテイメントを企画・運営している株式会社SCRAPが母体となった組織であり、リアル脱出ゲームにおける謎解きの作成・判定のノウハウを活かし、より幅広く能力を測ることができるよう、検定に落とし込んだものです。
謎解き力を客観的に計測できる検定
謎検は、「英検」や「漢検」のような、知識量を測るものではありません。「謎解き」という、記憶だけではどうにもならない個人ごとの能力を計測し、判定するものです。
その計測・判定に当たり、謎解きの力を以下の5つのジャンルに分けて判定します。
・ひらめき力……過去の経験・記憶から、直感的に答えを引っ張り出してくる力
・注意力……よく観察し、問題の中にある違和感や違いに気が付く力
・分析力……情報を多角的に捉え、回答までの道筋を組み立てる力
・推理力……ルールや法則を見つけ出し、答えを導く力
・持久力 ……最後まで諦めずに謎に向き合う力、もれなく確認しながら解いていく思考体力
検定終了直後には、問題の正誤判定、クラス判定(1級~10級)のほか、これらのジャンルごとに細かく自らの力を計測して成績表を見ることができます。また、翌日には受検者のランキングを発表。相対的にあなたの謎解き力を判断することもできます。
■成績表のイメージ
なお、謎検はWeb検定です。受検日のお好きな時間に、ご自宅のパソコン(スマホ、タブレットは不可)で受検できます。事前に受検登録が必要です。
可能性を探る力を測るために、なぜ謎検が有効なのか?
ではここで「謎検」でなぜ「可能性を探る力」を測ることができるのかを見ていただきましょう。
例題を見てください。これは謎検サイトで毎週出題している「今週の謎」の中から選んだ「ひらめき力」を測る問題です。制限時間は2分です。
いかがでしょう? 正解に辿り着きましたか?
解けた方も解けなかった方も、この問題を解くための、思考の道筋を解説していきます。
まず「1 2=?」という問題文と、○の中に「1」「2」があることから、○の中には何らかの文字が入ることが分かります。
また、矢印は2種類あります。白い矢印の方は、7つの○をつないでいます。それらは輪になっていて、うち2つは赤い○と青い○となっています。もう一方の黒い矢印は、9つの○をつないでいます。こちらは赤い○からスタートし、9つ目の○で行き止まりです。そして、○が共通している部分がところどころあります。
ここで注目すべきは、赤い○と青い○です。白い矢印でつながれたこれら2つの○は、7つの○の中に含まれており、その7つはループしています。
ここで必要になってくるのが、先ほどの「ひらめき力」です。
「赤と青がある7つのもの、それは繰り返される」ことから、あるものを想起することが求められます。
「7つのもの」から想像されることはいろいろあります。世界の大海、音楽のオクターブ内の白鍵の数、北斗七星……。しかし赤と青があることによって、それはあるものに特定されます。ズバリ「曜日」です。カレンダーの多くは、土曜日が青、日曜日が赤で記されているのをご存じでしょう。つまりこの7つの○には「月・火・水・木・金・土・日」が入ります。
青い○と赤い○に「土・日」を当てはめると、問題文にある「2」は「水」となります。
ということは、黒い矢印でつながれた9つの○の方も明らかになってきます。先ほどの「月・火・水・木・金・土・日」と共通している○を埋めていくと、9つの○は、「日・水・金・○・火・木・土・○・1」です。
ここでもさらに「ひらめき力」が必要になります。この漢字の並びから、太陽系の惑星を、太陽から近い順に並べたものが想像できるでしょう。9つの○を全部埋めると「日・水・金・地・火・木・土・天・海」。つまり「1」は「海」です。
この問題を解く上で、7つの○に入る文字の可能性、9つの○に入る文字の可能性について、どれだけ思いつけるかが重要ということがお分かりいただけたかと思います。
謎解き力は鍛えることができる!
謎検には、このような「ひらめき力」を測る問題以外にも、「注意力」「分析力」「推理力」「持久力」を測る問題、さらにはそれらが複合的に必要とされる問題をご用意しています。
もっと解いてみたいという方は、まず「無料お試し受検」に挑戦してみてください。本番では60分の検定時間で50問が出題されますが、このお試し受検は5分の検定時間で5問を出題。今すぐチャレンジ可能です。
最後に、「謎解きは天性の能力ではないのか」「できる人だけができるものではないのか」という疑問を持たれている方へ。
謎解き力は鍛えることができます。
日本謎解き能力検定の母体・SCRAPが主催する「リアル脱出ゲーム」に初めて来た人たちの脱出率は1%前後ですが、参加回数が10回目の人たちの脱出率は30%に跳ね上がります。参加を重ねるうちに、観察力が磨かれ、思考の道筋の数が増え、謎を解くための技術が身に付いていくのです。
謎検に関しても、何度もチャレンジしていくことで、級位や成績は向上していくでしょう。もちろん、判定された成績表を見て、現状の長所・弱点を把握し、今後の謎解き力向上への対策を練ることが必要です。
謎解きの問題はWeb上や問題集など豊富に存在しています。当協会では謎検開催に当たり、参考図書も設定していますので、事前に解いておくことで、より謎解き力はアップするはずです。
課題に対し、どれだけたくさんの考え方やアプローチを思いつけるかを測るための指針として「謎解き」は非常に有効です。ご自身の力を試したいと思われた方は、本番の謎検を受検してください。
文責:日本謎解き能力検定