リアル脱出ゲーム×SHOW BY ROCK!!スペシャル鼎談
「ぴゅ~るランド最大の危機からの脱出」が出来るまでの裏側全公開!!
#SHOW BY ROCK!! #リアル脱出ゲーム #関東 #鼎談
公開日:2016/11/24
2012年、サンリオから新たなキャラクタープロジェクトが発表され、コンテンツ業界に衝撃が走った。サンリオが生み出してきたキャラクターといえば、ハローキティやマイメロディ、ポムポムプリンなどデフォルメされたかわいさが象徴的だが、その新プロジェクトのキャラクターたちは装いが全く違った。キャラクターたちはロックな衣装を身にまとい、共通のテーマは「バンド」。そのキャラクタープロジェクトの名前は『SHOW BY ROCK!!』(以下、SB69)という。
2013年にスマートフォン向けの音楽ゲームアプリとして本格的な登場を果たすと、2015年にはTVアニメ化され、その年のサンリオキャラクター大賞の人気投票で劇中のバンド「シンガンクリムゾンズ」が総合2位、「プラズマジカ」が6位を獲得し、大きな話題を呼んだ。現在はTVアニメ第二シーズンが10月から放送開始され、今後の展開にファンから注目が集まっている。
そんなSB69の新たな試みとして、SCRAPとのコラボレーションが発表され、リアル脱出ゲーム『ぴゅ~るランド最大の危機からの脱出』が、2017年1月7日(土)から開催されることとなった。限定9日間という短い会期のため、会期中は多くのファンで、イベントの舞台となるピューロランドが賑わうことだろう。
今回は、そんな話題となること間違いなしなイベントの仕掛け人である、ポニーキャニオン SB69プロデューサー松岡貴徳氏、サンリオ SB69プロジェクトの原作プロデューサーの代理人であり、作品にも登場する有栖川メイプル社長、SCRAPプロデューサー吉村さおり氏のお三方によるインタビューをお送りする。
――まずは今回のコラボレーションが生まれた経緯を教えてください。
メイプル社長(以下、メイプル):企画としては、弊社からSCRAP吉村さんに、リアル脱出ゲームが出来ないかと相談したことが最初だと思いますぞ。
吉村さおり氏(以下、吉村):はい。「サンリオの中でも特に尖っていて、攻めているSB69というタイトルがあるのだけどコラボ出来ませんか?」とお話をいただいたことが印象的でした。
――それはつまりサンリオさんが企画の発起人ということでしょうか?
松岡貴徳氏(以下、松岡):そもそもの企画の発端は僕かもしれません。実は僕自身、6年前にSCRAPのリアル脱出ゲームに参加させていただいたことがあるんです。
吉村:初耳です!
松岡:初参加で始まる前はすごくドキドキしたんですが、ゲームの最初から最後まで心から楽しめたことが強く記憶に残っていたんです。そのときの体験が忘れられなかったため、いつか自分の関わったタイトルでコラボできたらいいなと思っていました。そんなことをサンリオさんに相談してみたら、実際にSCRAPに掛け合ってくれて。
――そういった経緯があったんですね。
松岡:実は以前、別の作品でSCRAPに来て、コラボ企画について僕自身プレゼンしたことがあるんです。その時は断られちゃいましたけど(笑)
吉村:その際は本当に申し訳ございませんでした。当時、弊社がまだまだ人員的に十分とはいえなかったこともあり、ほとんどのご提案をお断りせざるを得なかったんです。
松岡:そういった経緯もあるので今回SB69でリアル脱出ゲームを実現できるのはとても感慨深いですね。
――SCRAPとして、今回企画をもらった際の感想はいかがでしたか?
吉村:タイトルやキャラクターとの直接的なコラボではないのですが、2012年にサンリオピューロランドさんとはリアル脱出ゲーム『ピューロ魔法学園へようこそ!』でご一緒しました。その後、「また新しいイベントをやりたいですね」とピューロランドの担当の方と話していた中で、今回SB69の企画をいただいたので、とてもありがたいご提案でした。
最初にSB69とのコラボを提案いただいた際、すごくワクワクしたことを覚えています。それはSB69が、魅力的なキャラクターが沢山いるサンリオの中で、全く新しい方向の可能性に挑戦するタイトルだったからです。
松岡:昨年、今年とサンリオキャラクター大賞でSB69のキャラクターたちに、ショウバイロッカーの皆さまから沢山の投票を頂きました!すごく偉大な先輩キャラクターたちが並ぶランキングの中に、シンガンクリムゾンズやプラズマジカが入ってくるということは、サンリオファンの中にも新しい風が生まれているのではないかなと感じました。
吉村:リアル脱出ゲームも、約10年近くの歴史の中で一つの成熟期を迎えているのですが、そういった熱を持ったタイトルとのコラボレーションを通じて、既存のリアル脱出ゲームの枠を超えていきたい、そう思いました。
メイプル:そういっていただけると凄くうれしいですぞ(●´ω`●)。サンリオという会社の名前からイメージされるのって、やっぱりキティちゃんなどの歴代のかわいいキャラクターたちだと思います。長年愛し続けてくださるファンの皆さまには本当に感謝しておりますぞ!
一方で、吉村さんがおっしゃる通り、SB69は、あえて今までのサンリオのキャラクター像を踏襲せずに、新しい領域に挑戦したタイトルなんです。サンリオとして、すでにファンになってくださっている方とは全く別の方たちに、サンリオのファンになってもらうためには、どういうアプローチをすればいいのかと考え、本当にいろいろな企画を検討しましたぞ。結果として、プロデューサーであるボクらが音楽が大好きだったことから、音楽の楽しさを多くの人に伝えていこう、という今のプロジェクトの方向性となったんですぞ。
コンセプトが固まると、自然とコンテンツとしてSB69が目指すべき道が決まりました。やるからには誰もがアッと驚くものを作りたいと思いましたので、「音楽を題材にするならジャンルはロックで行こう」となり、そこから「実際のアーティストとタイアップをしよう」「ゲームの領域にも取り組もう、音楽があるからジャンルは音ゲーで行こう」「ファンの皆さまが集まれるリアルイベントとしてライブをやろう」と、連鎖的にやるべきことが見えてきたんですなあ。
ひとつずつの発想はすごくシンプルなのですが、こういった新たな試みに積極的に取り組んだことが、ファンの皆さまに受け入れていただけた理由のひとつではなのではないかなと。そういった背景もあり、今回のリアル脱出ゲームでも、ファンの皆さまに新たなSB69の魅力を伝えていけたらいいなと思っておりますぞ。
吉村:作品の中心となる音楽は、どうやって制作されているんですか。
メイプル:アプリの曲に関しては、サンリオサイドで試行錯誤しながら決めていますぞ。
吉村:タイアップのオファーを出すアーティストはどうやって決められているんですか。
メイプル:YouTubeなどで楽曲のPVを見たりして、ピンと来た方々に直接お声掛けしたりとか・・・詳しい事はヒミツですが・・・・・・
吉村:まさかそんな方法だったとは! みんなにチャンスがありますね!
松岡:アニメに関する曲は弊社でプロデュースさせていただいています。アプリに登場するバンドの中からアニメに登場させるバンドを選ぶ際も、出来るだけ音楽性がかぶらないようにしようと決めていました。プロデュースするにあたって、アプリの段階でキャラクターごとの声優さんがほぼ決まっていましたし、バンド毎の音楽性も見えていたので、楽曲は非常に作りやすかったです。またアニメならではの楽曲、歌詞になる様に注力しました。そんなこだわりが、ファンの皆さまに伝わればとても嬉しいです。
――SB69とのコラボならでは、というポイントを教えてください。
吉村:今までSCRAPでは数々のタイトルとコラボしてきました。どのイベントでもそうなのですが「たとえそのタイトルのことに詳しくなかったとしても楽しめる内容にしよう」「リアル脱出ゲームに参加したことをきっかけに、そのタイトルのファンになってもらえる企画にしよう」と考えています。
今回ももちろん同様なのですが、今回は特にSB69のファンであればあるだけ、より一層喜んでいただける仕組みも仕込んでいます。演出の一例ですが、SB69は音楽と密接に絡むタイトルということもあり、イベント中にも音楽がすごく重要な役割を果たします。通常のリアル脱出ゲームと違い、今回はSB69のメンバーによる演奏シーンに時間を大きく取っていますので、SB69のファンはもちろん、リアル脱出ゲームのファンの方にも新鮮な気持ちで楽しんでいただけるのではないかなと思います。
メイプル:SB69はタイトルの通り、ロックを全面に押し出した作品です。リアル脱出ゲームにするからには、やはりその「ロック」な部分をゲームの中に盛り込んでほしいな、と実は思っていたんですぞ。そのことを声に出して吉村さんに伝えたわけではないのですが(笑)
吉村:これまた初耳です(笑)
メイプル:以心伝心といいますか、吉村さんをはじめ、スタッフの皆さまがその点を汲んでくださり、「ロック」が沢山詰まったよいイベントになっていて、とってもサンキュっ☆なカンジですぞ!
――音楽がとても大切な要素な脱出ゲームということが言えそうですね。
吉村:主役のひとつといっても間違いないと思います! イベントとしても、アニメ第二シーズンの一話が舞台になっていて、劇中のぴゅるぴゅるロックフェスティバルにみんなで遊びに来たところから物語が始まります。
メイプル:闇の女王が突如表れ、ブラックホールカノンで世界を破壊しようとする。それをみんなの力を合わせてどうにかしよう、という物語なのでアニメの世界ともしっかりとリンクしてくるんですぞ。
吉村:音楽がキーワードなので、今回のイベント参加特典は音楽フェスで定番のリストバンドを選ばせていただきました。参加者の方々にはフェスに遊びに来た感覚でリアル脱出ゲームに挑戦してもらえたら嬉しいです。
ゲームの中身に関してもバンドを意識した作りになっています。4人で1チームのゲームになるのですが、参加する4人にはギター、ボーカル、ベース、ドラムの中からそれぞれ役割を選んでもらい、一つのバンドとして成長していくという過程をゲームの中で感じてもらうストーリーになっています。
――劇中のフェスが舞台ということで、ファンにとっては自分の好きなキャラクターがいつ登場するのか、気になるところでしょうね。
メイプル:はい、そういった期待にお応えする意味でも、アニメに登場するバンド達が、イベントにたくさん登場します! さらにこのイベントのために録り下ろした特別なキャラクターボイスもふんだんに盛り込まれています。絶対にここでしか聞けない超貴重でムフフなキャラクター同士のやりとりもありますので、ゲームの最中、いつどんな形でキャラクターたちが登場するのかも含め、ファンの方は要チェックですぞ!
――すでにメイプル社長も松岡さんもデバックでプレイされたとのことですが、体験されてみていかがでしたか。
松岡:やはり楽しかったです! 以前自分自身で体験して思ったのですが、リアル脱出ゲームの楽しさは体験した人じゃないとわからないだろうなと感じました。自分が感じた興奮を一人でも新しい人に体験してもらいたいと思っていますので、今回のイベントを機会に、はじめての方はぜひ参加していただきたいですね。
それに、アニメの楽しみ方はどうしても個人ごとでの体験がメインになってしまうと思うんです。でもリアル脱出ゲームではどうしたってチームで動く必要があるので、アニメとは違った角度からSB69を楽しんでもらえます。また、アニメ第2期の大きなテーマとして「絆」がキーワードの1つですので、イベントの趣旨ともぴったりあいますよね。
メイプル:今回のイベントはアニメ第二期一話の冒頭、闇の女王のブラックホールカノンで世界が大変なことになってしまう直前から物語が始まります。「このままじゃまずい!」という危機的状況を、60分という限られた時間の中で乗り越えていかなくては行けないので、チームワークはとても大事になりますぞ。
先日放送されたアニメの第七話で、シアンちゃんがキングさんからいろいろな課題が与えられていく中で、「一人では解決できない困難も、バンドの仲間となら乗り越えられる」と気づく場面がありますが、まさしく今回の謎もバンド=チーム一丸となればきっとクリアできると思いますぞ。
ただ、そんなピンチな状況だからこそ、ボクは会場ではじめて会う方と一緒に挑戦するのも楽しいと思うんです。実際、ボクもデバックでは初対面の方々とご一緒したのですが、ドギマギしたのは最初のほうだけで、気がついた頃には本当に今日会ったばかりなのかと疑いたくなるほどチームの方たちと団結していました。初対面の方とチームを組むのは少し勇気がいると思うのですが、SB69が好きという共通点をきっかけに生まれる新たな出会いが、より一層楽しい体験にしてくれるのではないかな、と思いますぞ!!
松岡:実は僕もはじめてお会いする方と組ませていただきました。ゲーム設計が素晴らしく、その場ではじめて会ったばかりの即席のチームであっても、自然と協力するように促されて、チームとしての連携が強まっていくんです。ですので、4人チームでの参加でなくても全く問題なく楽しんでいただけます。
メイプル:特に男性の方だと、そもそもピューロランドにいらっしゃる機会は少ないですよね。ただ、来ていただければどなたにもピューロランドの持つ世界観が伝わると思いますので、安心してご参加ください。また、夜に貸し切りのテーマパークを練り歩くという機会は中々ないと思います。そういった非常にレアな経験をして頂ける点も、今回のイベントの魅力の一つですぞ。
吉村:ぴゅーるランドがアニメの舞台だとすると、ピューロランドはまさに聖地ですよね。その聖地であるピューロランドを満喫出来るだけでも価値はありますが、テーマパーク内にあるステージや劇場をふんだんに使った演出がある点もぜひお見逃しなく。
――それでは最後に、これから脱出ゲームを楽しまれる方たちにメッセージをいただけますでしょうか。
松岡:チケット情報をご覧になられた方なら、すでにお気づきだと思いますが、今回のイベントのためにプラズマジカの新曲を書き下ろしました。その新曲は今までのプラズマジカの楽曲とはまた違ったテイストになっています。というのも、今回イベントの最中に、プラズマジカが登場するシーンがあるのですが、その登場する際の演出をイメージして楽曲を作成したからです。プラズマジカのまた新たな魅力を感じていただけると思いますので、ぜひとも参加して楽曲も聴いて頂けると嬉しいです!
吉村:実はその曲に絡んだ大きな仕掛けがあります。その曲、今回のリアル脱出ゲームに参加していただかないと、正式な曲名がわからないようになっているんです。それだけだと「この曲はなんと呼べばいいんだろう?」ということになります。
――ということは、ヒットチャートなどにその曲がランクインしても……
松岡:****と表記されるのでタイトルが読めません。
吉村:正式なタイトルを知りたい方は是非イベントにご参加ください!
松岡:録り下ろしボイスも含め、ファンの皆さまには間違いなく喜んでいただける内容となっていますので、楽しみにして頂けると!また一方で作品のことを全く知らなくても楽しんでいただける内容になっているので、はじめてSB69に触れる方であっても気軽に参加して頂きたいです!
メイプル:そうですな~(●´ω`●)。サンリオ発のタイトルということで、自分向けではない、と思われる方もいらっしゃると思います。けれど、作品のコアな部分は「ロック」、つまり「音楽」なんです。今までのサンリオのキャラクターとは別の切り口で、楽しさを作っていこうというのがSB69プロジェクトですので、もし少しでもキャラクターや音楽の部分に興味を感じてもらえたら、ぜひとも参加してもらいたいですぞ。参加していただければ、絶対に作品の新しい魅力を発見していただけるはずですぞ!!
松岡:本当に、ライブに参加するような感覚で来てもらいたいですね。
メイプル:会場が新宿から電車で30分というのも、適度なイベント感があって良いかと! ウキウキ気分で遊びに来て欲しいですぞ!
吉村:たしかに! サイリウムを持ってきていただくのもありですね。リアル脱出ゲームに挑戦するぞ、というより、フェスを楽しむぞ! バンドを組むぞ! というワクワク感を感じてもらえたらと思います。
ただバンド活動と一緒で、謎は決して優しくないので、そこは心しておいてください(笑)SCRAPとしても、今回リアル脱出ゲームとして新たな試みにトライしています。リアル脱出ゲームを知っている方にこそ驚いてもらえるような仕掛けもありますので、ぜひとも実際にピューロランドで体験してもらえたら嬉しいです。
――ありがとうございました!
文:中山英樹