いろんな職業の人にリアル脱出ゲームを体験してもらった vol.1 ライター編
リアル脱出ゲーム未体験ライターチームに『Escape from The RED ROOM』を体験してもらい、ネタバレなしで感想文を書いてもらいました。
#RED ROOM #リアル脱出ゲーム #レポート #浅草アジト #関東
公開日:2017/08/18
どーもSCRAP出版チーフのおおつかです。
このSCRAPマガジンの編集長もやっています。
近ごろ更新頻度がめっきり減ってるでおなじみのSCRAPマガジンで、
新たなシリーズ企画を始めようと思います。
題して、
「いろんな職業の人にリアル脱出ゲームを体験してもらおう」
リアル脱出ゲームをもっといろんな人に知ってもらいたい、という気持ちから生まれた企画です。
以前人力車の車夫チームに体験したもらった記事を掲載しましたが、
同じように、将棋棋士、消防士、学校の先生などなど、さまざまな職業の方でチームを組んでもらい、
リアル脱出ゲームをやってもらって感想を聞いてみたいと思います。
パリピだけのチームとか面白そうですね。
パリピは職業?という疑問は置いといて。
ただ1つ問題があります。
それは、記事を書いてもらうライターがいないことです。
リアル脱出ゲームに明るいライターは、実は少ないのです。
だったら、まずはリアル脱出ゲーム未体験のライターにまず体験してもらい、
世界をわかってもらった上で仕事を頼めばいい!
それ自体も記事になるじゃないか!
という一石二鳥のナイスアイディアのもと、ライター陣に集まってもらいました。
ご用意した公演は、浅草アジトオブスクラップで開催中の『Escape from The RED ROOM』。
体験済みの方ならおわかりかと思いますが、この公演の内容をネタバレせずに人に伝えるのは難しいです。
それをあえて、プロのライター陣に感想を書いてもらおう、というわけですね。
果たしてどんな感想文が上がってくるのか、非常に楽しみです。
さて、今回集まっていただいたライターは次の5人。
各々送っていただいたプロフィールとともに紹介しましょう。
■小谷菜美さん
クラウドファンディングサービス Readyforのキュレーターとして活動する傍ら、フリーのWEBディレクター/ライターとして楽しそうなところに足を突っ込んでいます。
「Webの脱出ゲームはやったことがあるのですが全然できないので、リアルだったら行けるかなと思って来ました」
■飛田恵美子さん(HP、blog)
ライター。地域や観光、ソーシャルビジネスをテーマに記事を書いています。ソーセージを食べながら政治を語る「SOW!政治」、おいしいごはんができるかどうかは運次第のごはん会「食堂パルプンテ」を不定期開催。
「リアル脱出ゲームはあらゆる頭の良さが試されるイメージ。一度やりたいと思っていたので今日は脱出したい!」
■寺西ジャジューカさん(Facebook)
フリーライター。様々な媒体にノンジャンルで書いていますが、得意なのはプロレス・格闘技系と音楽系と芸能系。最近は『証言UWF』(宝島社)にて執筆。ブライアン・ジョーンズと菅井きんと誕生日が一緒。
「リアル脱出ゲームは若者がやっている印象があります。IQの高さが必要そうですが、僕はダメかも……」
■三浦たまみさん
編集者/ライター。構成等担当した本島彩帆里『やせる ♯ほめぐせ』(ワニブックス)好評発売中! 心屋仁之助『ネコになってしまえばいい』(5万部)、『ゲスな女が、愛される。』(8万部、以上廣済堂出版)。今秋、自著(共著)『日本10大美術館(仮)』(大和書房)が発売!
「リアル脱出ゲームって、ヒントを頼りにクリアするゲームですかね? 頭を使うのは得意ではないので今日は不安です」
■ミトモタカコさん(blog)
フリー編集/ライター。『私って、ADHD脳!? 』(司馬理英子)『あなたが生きづらいのは「自己嫌悪」のせいである。』(安冨歩)等、書籍の企画、構成、漫画ストーリー制作、編集等。Webコンテンツ制作にも携わる。
「リアル脱出ゲームに対する印象は今のところ“無”です。何もイメージを持たない方がいいと思って来ました」
ちなみに、三浦さんとミトモさんは友人同士ですが、他は初対面同士という即席チーム。
仕事柄か、ゲーム前に集合したら即、名刺交換が行われていました(笑)。
さらに飛田さんの知り合いの編集者の方もチームに加わり、総勢6人で『Escape from The RED ROOM』に挑みます。
ここから先は写真で様子をお伝えしましょう。
スタート前の自己紹介タイム。やはり仕事の話が中心に。
まずはスタッフより注意事項を聞きます。みな緊張気味。
取材時点での『Escape from The RED ROOM』の成功率は205/4402。10分延長しての成功は877/4402です。
RED ROOMに入り、気合いを入れるためにガッツポーズ(冒頭の写真に続いて本日2回目)。
探す!
話し合う!
解く!
……ここから先はお見せできません。
が、1つの目的に向かってほぼ初対面とは思えないぐらいチームがまとまり、そこには確かな熱狂がありました。
制限時間が30分経過して、脱出できず、10分延長します。
しかし、惜しいところまではいったものの、結局40分たってあえなくタイムアップ。
脱出成功ならずでした。
脱出成功率の分母が4403に増えました。
とはいえ、みな口々に「惜しかった!」「でも面白かったね!」としばし興奮を伝え合っていました。
しばらくの間、みなさんの瞳孔が開いていたのではないでしょうか。
そして後日、それぞれ短い感想文を送ってもらいました。
一気に紹介しましょう。
——
■ほんの数分前に出会った人とでも楽しめるゲーム
部屋を出るとすぐに脳内反省会が始まってしまった。
「あれ……30分ってこんなに短かったっけ?」「あーあの時こう考えれば…」
明らかにいつもと違う時間感覚。目に入るものすべてが赤の空間。
さっき会ったばかりの知らない大人6人が密室にいるというありえない状況。
「冷静に謎解きをしてやるぞー!」と心の中で誓って挑んだ初めてのリアル脱出ゲーム『Escape from The RED ROOM』は、脱出まであと一歩のところで失敗に終わってしまった。正直、とても悔しい……。久々に、悔しい。
消去法のように自分が置かれている状況からできることを絞り出し、手がかりなのか、罠なのか全くわからない部屋にあるアイテムたちを組み合わせていく感覚は本当に面白かった。
今回のテーマは、”言葉のいらない、謎”。
きっとこのゲームはほんの数分前に出会った人とでも、言葉の通じない外人さんとでも、小学生とでも一緒に楽しめる。
むしろ自分とは違った視点で物を考えらえる人と一緒の方がいいのかもしれない。
浅草のアジトを去る頃には、「次、挑戦するとしたら誰を誘おうかな〜!」と噛み締めていた悔しさが、次回へのワクワク感へとあっという間に変わってしまっていた。
(小谷菜美)
■リアル脱出ゲーム沼にずぶずぶと引き込まれてしまいそう
「うわぁ〜、まさか××を××するとは……!」——初めて体験したリアル脱出ゲームは驚きの連続でした。
参加する前は「知識や教養、クロスワードパズルを解くような言語的知能が問われるのかな?」と想像していましたが、一番重要だったのは固定観念に縛られない柔軟な発想力と閃き。
「最近頭が固くなっていたかも?」と思わず反省してしまいました。
ゲームを進めるうちに自然とチームワークが生まれたことも面白かったポイントのひとつ。
初対面同士でしたが、次第にメンバーの特性がわかっていき、「じゃあ自分はこっちを担当しよう」と役割意識が芽生えます。
チームビルディングや自己分析の手段としても使えそう!
惜しむらくは、あと一歩のところで脱出できなかったこと。
あぁ、最後にあのヒントを一捻りできていたら……!
でも、幸いなことにSCRAPはこの世にさまざまな「密室」を作ってくれています。
リベンジして次こそ必ず脱出してみせる!
……まずいな、リアル脱出ゲーム沼にずぶずぶと引き込まれてしまいそうです。
(飛田恵美子)
■“使えない奴”だと思われたくないから、頑張らざるを得ない
「リアル脱出ゲーム」を初体験した。響きだけは耳馴染みあるものの、その内容は私にとって未知。
ここだけの話、敬遠してました。なぜなら、パワーある若者だけが前のめりで楽しむイベントだと思ってたから。
SCRAPさんのお誘いを受け、ようやく腰を上げた今回なわけです。
当日は私を含めた6名がチームを結成し、力を合わせて“密室”からの脱出に挑戦。
室内に散りばめられたヒントを参考に、いわゆる謎解きに臨むのです。
結論から言うと、脱出成功ならず。閉じ込められたままタイムオーバーでした。
でも、頑張った! 頑張らざるを得ない。だって、戦力になれず“使えない奴”だと思われたくないから。頑張らないと沽券に関わる。
謎解きする仲間を至近距離で目の当たりにすると、否が応でも能力が透けて見える。
だから頑張っちゃうし、頑張るからこそゲームは楽しくなる。
「頑張る→楽しい」が循環されるシステムに、実はなってたのです。
これでクリアできたら言うことなしだったのにな……。
童心に帰らないままで夢中になれた、大人でもイケるゲームでした。
(寺西ジャジューカ)
■メンバーの意外な一面を見ることができて面白かった
狭い部屋に閉じ込められて、いくつかのヒントをもとにそこからの脱出を試みる──脱出ゲームの知識はこの程度しかないまま、いざ、6人チームで本番へ。
ヒントは、図形や数字などわずかなものだけ。詳細を語ることはできないけど、シンプルなヒントに、ほんのちょっとの閃きやイマジネーションがあれば脱出できる!
……というのは今だから言える話。
私たちのチームは、「あと、一歩」のところで制限時間内の脱出は失敗に終わってしまいます。
実際にやってみてわかったのは、ヒントから「これかも!?」っていったん思いついた答えがあると、それについ引きずられてしまい、新たなアイデアが出にくくなるな~ということ。
頭を空っぽにして、柔軟にトライするといいかも。
あ、あと、チームを組むので、おとなしそうと思ってた人が的確な指示を出してくれたり、元気溌剌で賑やかそうな人がけっこうな時間考え込んでいたり……など、意外な一面を見ることができて、そこも面白かったですよ!
(三浦たまみ)
■相手のリアルな情報を得られる点ではデート10回分に相当するかも
その昔、渋谷でヒップでホップな雑誌を一緒に作ってたOさんから突然のメール。
「リアル脱出ゲームして、感想文書いてくれない?」
リアル脱出ゲーム……って何?
さっぱりわからないまま、集められたのは浅草。
説明もそこそこに、私同様「よくわからないまま来てしまった」風情の大人6人と4畳くらいの狭い部屋に閉じ込められる。
知らない人と狭い部屋という状況は、人見知りかつ閉所恐怖症の私には苦痛でしかない。いやあああ。出してー。
が、結果、人見知りも閉所恐怖症も何もかも忘れるくらい夢中に!
とにかく最初の仕掛けにひっくり返る。いやー。現実がゆがむわあ。
メンバーの個性的な解き方も面白い。キビキビ指示する人。静かに解いていく人……。
相手のリアルな情報を得られる点ではデート10回分に相当するかも。
最後まで解けなかったけど、なんだかチームのみんなが愛しくなって、そんなメンバーとも一瞬でさよなら、というところもまた人生って感じですごくいいです。
(ミトモタカコ)
――
さすがプロのライター、みなさんいろいろな視点で感想を寄せてくれました。
「つまらなかったらつまらなかったと書いていいですよ」と伝えましたが、お褒めの言葉をいただいてうれしいです。
リアル脱出ゲーム未体験の友人を誘うには、このページを見せたらいいんじゃないか、と思うほど。
あ、『Escape from The RED ROOM』未体験の方はぜひやってみてください。
体験したあと、みんなのレビューを読むのって楽しいですよね。
さてさて、次回はどんな職業の方に体験してもらおうか、そしてどのライターさんに書いてもらおうか、今からもう楽しみです。
待て次回!
(撮影/佐藤哲郎)