5分間リアル脱出ゲームMystery_ネタバレ解説
蒼月を襲った犯人を特定する方法
P.134の船内放送により明かされた船の目的地は「グアム」です。しかし、5章のミステリークルーズチャレンジで導き出した目的地は「ハワイ」でした。なぜ目的地が変わってしまったのでしょうか。ここで、P.134の船の行き先の謎と、P.69の船の行き先の謎を見比べてみると3つの違いがあります。
それは、❶星と四角が入れ替わっている、❷額縁の形が異なる、❸ミステリークルーズチャレンジのロゴの西暦が異なるの3つです。この中でも特にミステリークルーズチャレンジの西暦に注目すると、5章では「2005」なのに対し、10章では「2006」になっています。つまり、5章から10章までで1年の経過があるということがわかります。1年経過しているので、船の行き先は変わっていたのです。すると2005年と2006年で、ミステリークルーズの乗船者が変化している可能性が考えられます。
2006年のミステリークルーズに乗船している人物を確実に特定する方法はいくつかあります。
乗船者を特定する方法①
P.108で渚は「救命胴衣は乗船時にスタッフとプレイヤー分を乗せていて、それがそのまま残っていました。3Fの操作室の黄色い棚の中に全部かかっていたので間違いないです!」と言っています。操作室の様子はP.103で確認することができます。救命胴衣を数えることで2006年のミステリークルーズの乗船者の人数がわかります。
P.103を確認すると、救命胴衣の数は8着です。よって、2006年のミステリークルーズの乗船者は8人であるとわかります。10章で2006年に乗船している人物を確認し、すでにアリバイが証明された人物を除くと、消去法で蒼月を襲った犯人を特定できます。
乗船者を特定する方法②
【2005年と2006年の切り替わりを特定する】
2005年のミステリークルーズの船の行き先は「ハワイ」、2006年のミステリークルーズの船の行き先は「グアム」です。
この謎を解く手がかりの絵画がある場所を確認すると、2F の201号室前の廊下には「ビューティーなクイーン」(2章:P.36)と「茶菓子とクリーム」(8章:P.111)、2F の遊戯室前の廊下には「白い砂浜のビーチ」(1章:P.23)と「巣ではしゃぐミツバチ」(9章:P.122)、3Fの食堂には「愛が伝わる語り口」(1章:P.18)と「一目でも会えたから」(6章:P.85)が飾られています。同じ場所に異なる絵が飾られているのは、1年経過しているためであり2005年から2006年になったタイミングで飾られている絵画が変わったと考えると、どこからが2006年なのかがわかります。
船の行き先の謎の額縁の形に注目すると波の数が2005年は「5つ」、2006年が「6つ」です。よって、2F の201号室前の廊下の「茶菓子とクリーム」(8章:P.111)、2F の遊戯室前の廊下の「巣ではしゃぐミツバチ」(9章:P.122)、3Fの食堂の「一目でも会えたから」(6章:P.85)の絵画が飾られているのが2006年だとわかります。つまり、6章以降(物語のつながりを考えると、正確には5章のP.71までが2005年、5章のP.73から)の物語は2006年となります。
【2006年の乗船者を特定する】
次は2006年のミステリークルーズに乗船していない人が誰かを考えます。
まず、2005年の3章で古院が殺され、4章で碇が殺されています。また2006年になった6章で1年前の転落事故について推理しているため、石医の妻も2005年に亡くなっているとわかります。2005年の乗船者は全部で14人(2005年の乗船者はP.40で確認できます)で、蒼月、マコト、才頭、剛力、静居、石医、古院、笑人、アン、金成、碇、司海、舟太、渚です。つまり、この中に石医の妻がいることがわかります。女性の登場人物は4人です。誰が石医の妻かを考えてみましょう。
・石医の妻について考える
2005年の乗船者のうち、女性は4人です。古院は2005年にナイフで刺されて死亡しているため、石医の妻とは死因が異なります。そして渚は2006年に生きているのが確認でき、アンは2005年である5章で恋人を探していると話しているため除外されます。よって、才頭が石医の妻であり、彼女は2005年に亡くなっていることがわかります。
・2006年に生きているが、ミステリークルーズには参加していない人物について考える
P.64でアンと笑人が「謎解き王決定戦」に出場するため、来年のミステリークルーズを欠席すると話しています。また、P.68で静居も「謎解き王決定戦」に一般人枠で参加すると言っているため2006年のミステリークルーズには参加していないとわかります。
これらの推理により、2006年のミステリークルーズに登場していない古院、碇、才頭、笑人、アン、静居の6人は確実に乗船していないことがわかり、すでにアリバイが証明された人物を除くと、消去法で蒼月を襲った犯人を特定できます。
2005年と2006年の時間のズレに気づく小さな手がかり
時間のズレに気づく手がかりには、以下のようなちょっとした違和感もありました。
201号室の扉
P.36(2005年)で壊れていた201号室のドアが、P.111では綺麗に直っています。
乗客のネームプレート
5章(2005年)まで乗客が胸につけていたネームプレートですが、6章(2006年)以降は誰もつけていません。
古院と碇船長の匂わせ
2人は色違いのネックレスを身につけていました。ですが、それ以外にも匂わせアイテムを持っていました。
碇船長は胸ポケットに「迷」という文字の飾りがついたペンをつけています。船を操縦する者として、このペンはあまり相応しくないように思えます。一方で、古院の部屋の机の上(P.43)には「言」という文字の飾りがついたペンがありました。
実はこの2本のペン、「言」と「迷」の文字を組み合わせると「謎」という文字になる、謎好きならではのペアアイテムだったのです。
剛力の危機
舟太は謎解きを愛しています。そのため、謎解きにおいての不正が許せず古院と碇を殺害しました。P.32で冗談で他人の答えをカンニングしようとした剛力に対し、舟太は「ズルはダメです」「ズルしたら、海に沈めちゃいますよ」を注意しています。これは冗談ではなく本気だったのかもしれません。