ダクトは推薦状を偽装し、本部へ提出した。後日連絡があり、ダクトは正式に作業員となることができた。

出勤当日、支給された作業服に着替え、通用口へと向かうと、長官が眉をしかめながら立っていた。

「お前は非正規作業員だ。何があっても知らん。食糧支援もない。それでも行くか？」

ダクトは強くうなずいた。

長官は深くため息をついた後、そのままダクトを、通用口のそばまで連れて行く。

扉を隔てた先には、荒廃した大地と巨大な遺構が森のように行く手を阻んでいた。

壁に貼られた紙には作業員の無事を願う標語がぞんざいに書かれている。

「本当に行くのか」

1枚目の扉に手を掛けるダクトの背中に、声が刺さる。

ダクトは振り向かずに1枚目の扉を閉め、2枚目の扉を開け放った。

“外”は思いのほか、暖かく感じた。

振り返ると、長官がこちらをじっと見つめながら口を動かしている。

何と言っているのかは、もちろん聞き取れなかった。

追加封筒2の点線を切り、扉を開けよ。切る際は裏面まで刃が貫くようにすること。
その後、長官の言葉に従え。

内容物：問題用紙…2枚