Mystery for You 山下先輩は、 を待っている。 Step3 幽霊
「…そうだね。僕は幽霊だよ」
とっさのことであなたは腰を抜かしてしまった。
「そんなに怯えないでくれよ。ずっと一緒にいた仲じゃないか」
「いや、自分が幽霊見えてることにビビっちゃって… 意外と足も透けてないんですね」
「見た目に対するおどろきなんだ!? まぁいいや」
先輩は真相を話してくれた。
「僕はあの日、交差点の角にある金融公庫から金融通りを渡って北野日報社に行く途中だった。その交差点でひき逃げ事故にあった。北野日報の2023年7月1日の記事にも書いてあっただろ。ひき逃げ犯は見つかったようだけど、私はどうしてもこの世に未練があって…。
でも、もう1人の部員は来ないし、ずっとこうしてこの部屋で待っていたんだ。」
暑い部屋に冬服なのは亡くなったときの恰好、もちろん幽霊だから暑い寒いといった感覚もない。
新しく建て替わった建物の話に、通じない部分があった。
先輩はいつも先に部室内にいるのにも関わらず、扉の鍵はずっと閉まっており、あなたが開け続けたこと。
すべての違和感がつながった。
あなたは先輩に聞く。
「その…… 先輩の未練って何ですか?」
「このナゾを完成させたかったのさ。誰にも解いてもらえない謎ほど悲しいものは無いからね。…そうだ、君へ最後の問題を出そう。これまでのアドバイス、違和感、これらを総動員して、僕が作ったこのナゾトキウォークラリーのナゾをすべて解き明かしてほしい」
「♪〜 下校時刻になりました。すみやかに部活動を終え、下校の準備をしましょう」
「今日はここまでだね。あとは来週やろうか」