Mystery for You 4つの金庫のデスゲーム プロローグ
【第1章】
冷たい風が顔に当たり目が覚めた。
どうやら床の上で寝ていたようだ。
……ここはどこだ?
周囲を見回すと、扉がない。
部屋は正方形で4面とも同じ壁になっている。
そして4枚の壁にはいずれも番号入力式の金庫が取りつけられている。
ただし、1つの金庫にだけ「1」と書かれたパネルが置かれている。
壁と床の間にはわずかにすき間があり、そこから風が吹き込んでいる。
すき間といっても手が入るほどの間隔もなく、ここから外に出るのは不可能だ。
床は冷たいコンクリートで、穴を掘って逃げるなんてこともできそうにない。
下がダメなら上は……、ダメだ。天井は暗くなっていて様子をうかがうことができないが、少なくとも上れる高さではない。
コンクリートの床、高い天井、扉のない部屋……。まったく状況がつかめない。
何者かが眠っている私をここに連れ去り、私の周りに壁を立てたのだろうか。
そんなことでもしない限りこのような状況にはならないはずだ。
しかし誰が一体このようなことをしたのだろう?
そしてこの部屋から脱出する方法はあるのだろうか?
とは言っても、できそうなことは金庫に適当な番号を入れて開けようとすることくらいしかない。
壁にある金庫のうちの1つのに手を伸ばそうとしたとき、頭上から声がした。
「ようこそ。選ばれしプレイヤー」
少し子どもっぽい声がかえって不気味さを感じさせる。
「今日は命を賭けたゲームをしよう。
ルールは簡単だよ。
この部屋にある4つの金庫を開ければ君の勝ち。ここから出してあげるよ。
でも、金庫を開けられなければ君は二度とここから出ることはできない。
さあ、ゲームの幕開けだ。
今から渡す紙の謎を解いて、まずは『1』のパネルが置かれている金庫を開けてごらん。これが1つめの金庫だ。
1つめの金庫は番号を間違えてもペナルティはないから安心してね」
話が終わると上から紙が数枚ひらひらと降ってきた。
謎を解いて金庫の番号がわかるなら、適当に試すよりはずっと勝算がある。
まずはこれを解くしかない。私は謎の紙を拾った。
〔Step1の謎を解いてください〕
1つめの金庫の番号がわかったら送信しよう。
※半角数字で入力すること