Mystery for You あるアイドルグループの解散 ストーリー4
「…シ……シン…オキ…シンゴ…起きろ…シンゴ、起きろ!」
誰かの声で起こされた。
いつの間にか寝てしまったらしい。
声の主の方を向くと、そこにはコウジが立っていた。
「コウジ、お前!」
思わずコウジを抱きしめる。
「ど! どうしたんだよ! 気持ち悪ぃな!」
コウジは俺を強く突き放し、後ずさる。
「…ごめんごめん。冗談だよ」
「つまんない冗談やめろよ…」
一瞬で楽屋の中が変な空気になったのが分かる。
しかし、たじろいでる場合じゃない。コウジに話しかける。
「ところでさ、最近どう?」
「え? どうって?」
「いや、悩んでることとかないか?」
「なんだよ急に。ねぇよ」
悩みもないヤツが、クスリに手を出すかよ。
そう思ったが、言葉を飲み込む。
「ちょっと収録終わるまで待ってろよ。久しぶりに一緒にメシ行かないか?」
「…帰るわ、バカ。…シンゴ、今日のお前、ホントになんか変だぞ…?」
ドンドン。
楽屋の扉を叩く音がする。
「シンゴさん収録始まりますー、スタジオへお願いします!」
あの日は俺が収録している間に、コウジは局を後にし、その帰り道で警察に捕まった。
その一報は、収録中にマネージャーや俺の耳に入り、収録は中断。
急いで、二人で事務所に戻った…。
嫌な記憶だ。
その前になんとかしたいが…この調子だと、普通に押してもダメだろう。
「はーい」と返事しながら、カバンから交換日記②を取り出し、コウジの前に差し出す。
「久しぶりに、何かあったら書いてくれよ。収録終わりで読むからさ」
コウジはこっちも、日記も見ずに「んー」と適当に返事をした。
収録が終わり、楽屋へ急ぐ。
駆け込むと、そこには誰もいなかった。
今日の収録が無事に終わったということは、歴史が少し変わったということだ。
テーブルの上には交換日記②が置いてあった。
コウジに渡したときと位置が変わっている。ということは…。
急いでページをめくると、
そこにはコウジの気持ちが書かれていた。
<交換日記②を開いて、メッセージを読み解き、「コウジのしたいこと」を導け>