作成したポータルキーを装置に挿し込む。
あなたは自らポータルに乗り、転送ボタンを押した。

数秒後、あなたの体は地球から消えた。

気がつくと、真っ暗な宇宙が見えた。どうやら転送は成功したようだ。
重力装置はまだ無事に働いているようで、地上にいたときと同じように体を動かせることを確認した。あなたはタローの元へと駆け寄った。
……よかった、まだ生命活動は停止していないようだ。
あなたは急いで部屋の隅にあるダクト穴へと向かった。
小さな体で全力で駆ける。登る。
暗闇だったダクトの中に、一筋の光が見えてきた。どうやら隣のメインルームに到着したようだ。
這い出て、コントロールパネルの上に降り立つ。
あなたは、煩く点滅する射出ボタンを押した。

 

 

 

ー DAY860 ー

「うわ～！ 見てマックス !! 草原だ！」
輸送最終日から1年が経とうとしていた。
あの後、あなたたちを乗せた脱出ポッドは惑星ニアへと軌道を進めた。
信号を探知したスタッフたちに2人は保護され、回復した今日ようやく外に出ることが許可されたのだった。
「これが草原… 初めての匂いだ…」
鼻を鳴らしながらタローが嬉しそうに話す。
2人は暖かな草に座り込み、遠くに見える仲間たちを眺めた。
「マックス、本当にありがとう。ぼくを助けに駆けつけてきてくれて」
語りかけるタローに、あなたは小指を差し出した。
「ははっ、確かに。ぼくら、約束してたもんね」
タローが大きな手を合わせてくる。今度は本当に温かかった。
「…日向ぼっこ、しようか」
思い切り空気を吸い込む。
太陽と草原と、タローの優しい匂いがした。

END

※こちらのクリア画像はネタバレを含みますので、SNSでの拡散はお控えください。

おめでとう！ 見事に「方舟ノアの物語」を解き明かした！
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