「そうか、このハガキか。」

 

受付時に、イベント終了まで身に着けておくよう念を押されたのはそういうことだったのか。

部屋から脱出したあなたは、先ほど通ってきた道に戻っていった。

 

スタッフは既に1人もいない。射的場の的の紙はすべて濃い赤に染まっていた。

ということは、他の参加者たちは途中の迷路でやられたということなのか？ それとも全員サクラ？

謎は深まるばかりだが、考えていても仕方がない。

 

受付があった机の上にぽつんとジャージが置かれていた。

そこには「信じてもらえてよかったです」とメモがあった。

多分、あのときはがきを持っているよう念押ししてくれた受付のお姉さんだろう。

彼女はこの計画を知っていたのかもしれない。

 

その後、自宅に帰ったあなたは、ヨネカワ先生から聞いた楯浜強盗殺人事件の情報を警察に話した。

 

最初は取り合ってくれなかったが、詳細を話す、再調査をしてくれることとなった。

 

ヨネカワ先生が捕まるのも時間の問題だろう。

あとは警察の人に任せることとする。

 

そして、今日もあなたは本を読む。

ミステリは…しばらく本の世界の中だけでいいかな。